成人の日に振袖を着るようになった理由と振袖を持つ意味については?

目次
成人式に振袖を着るようになった理由は?
振袖は人の縁や魂を呼び寄せる清らかなものとされており、大人への仲間入りを自覚する成人の日に着ることで子供から大人へ成長したという感謝と報告を伝えるという意味で振袖を着るようになったと言われています。
また、振袖は袖が長いのが特徴ですが、長い袖は厄を払うとも言われています。
女性の19歳は本厄にあたる年?
さらに女性の19歳は本厄にあたる年で成人式を迎える前の年にあたります。
本厄は自分自身や周囲の環境や体力に変化が訪れる時期でもあります。
本厄の次の年の成人式で振袖を着ることで厄を払い、二十歳の節目と大人への門出に身を清めるという意味を込め、成人式で振袖を着るようになりました。
つまり、成人の日に振袖を着るのは厄払いの意味もあります。
足のくるぶしあたりまである和服で袖丈の長いものを振袖と呼び、袖付けから振りを長くして、脇があいている部分を大きく開けているのが振袖の特徴です。
大きく開いた振りの部分がユラユラと動くことで「振袖」と名付けられました。
振袖自体の誕生は江戸時代にさかのぼります。
もともと子供や未婚の女性が着る振りのある長い小袖として着られました。
また、着物の中に熱がこもらないようにという配慮もありました。
振袖が誕生したころは袖が55センチから95センチとそれほど長い袖ではありませんでしたが、江戸時代中期にかけて徐々に袖が長くなり、現在の振袖のように長くなりました。
現在の振袖で最も長い袖で114センチくらいと言われています。
若い女性が着る正装である和服の袖丈が長くなっていき、踊りを披露する時により美しく綺麗に見せるように長くし、振袖が誕生した江戸時代初期は55センチから95センチくらいで、江戸時代中期から後期にかけて122センチにまで長くなりました。
江戸時代では未婚女性の正装として振袖が着られることもありましたが、普段着として着られることもありました。
明治時代以降も未婚女性の正装として振袖は定着しましたが、華やかに見える半面、日常生活の動作に邪魔になってしまうと言うことで普段着で振袖を着ることがなくなりました。
振袖は華やかさを増す目的として未婚女性の正装とされ、既婚女性と未婚女性を区別していました。
振袖の袖が長くなったのは諸説ありますが、舞踊を披露した際に袖が揺られて美しく綺麗に見えることで長くしたと言われています。
また、袖丈が長いと所作が美しく見えて男性の気を引きつけやすいということで袖が長くなったとも言われています。
振袖は最初踊り子が舞踊のために取り入れられたのが始まりで、後に未婚女性の正装として定着し、大人の仲間入りをすることで最初の正装として成人式で振袖を着るようになりました。
振袖は厄を払って大人への新たな旅立ちの心構え?
成人を迎える前の年の19歳は本厄なので袖を振ることで厄を払うという呪術的な意味で袖が長くて、動いたりすると自然と振り幅が大きくなる振袖が着られるようになり、厄を払って大人への新たな旅立ちの心構えとして成人の日に振袖を着るという習慣に結びついています。
成人の日の振袖は成人となる者の身を清め、今後の人生について、成人の旅立ちを自覚し、心身共に順調に育って無事に成人を迎えたことを報告し、これからの人生の幸せを祈願し、自分を成人になるまで育ててくれた親や周囲に感謝の気持ちを振袖に込めるのが振袖の意義と言えます。
成人の日はお祝い事だから華やかな着物を着るだけでなく、袖の振りが大きいことで厄を払い、清める意味も込められていて、厄除けと良縁の願いを込めて、大人になった自覚と大人にしてくれた人たちに感謝の意を伝える意味で成人の日に振袖を着ることだと分かります。
成人の日に振袖を着るのは人生の門出に身を清め、これからの出会いが良縁であることを祈り、縁を呼び寄せる意味を持ち、とても縁起が良いものです。
成人の日のように大事な人生の節目となる日に振袖を着るのは、二十歳という大人へ一歩踏み入れ、晴れの門出に災厄を払って、清らかな心と身体で再出発するという意味を込められてます。
振袖のユラユラ揺れ動く長い袖は厄を払い、成人の日の前の年19歳の本厄を厄払いできる意味もあり、人生の門出に身を清めてくれます。
現在では成人の日に振袖を着るのは皆が着てるから自分も着なくてはと思う人もいます。
現在の成人式は?むかしの同級生を再会する同窓会の場?
また、本来成人の日は人生の門出として成人の儀とも言える重要な儀式でありますが、現在の成人式はイベント化されている傾向があり、昔の同級生を再会する同窓会の場と化しています。
また、着物をアレンジして振袖を自分流に着こなす方も増えています。
イベントとして振袖や晴れ着を楽しむこと、個性をつけて楽しむのが悪いわけではありませんが、振袖は気持ちを新たに、心と身体を清らかにしてくれるものと知れば、振袖を着る意味が大切なものだと気付けるようになるでしょう。
よって、振袖は成人の日という大きな行事だから着るだけでなく、振袖が誕生した江戸自体にさかのぼり、袖が揺れることで厄を払い、身を清めて今後の門出を祝って、大人になったことを自覚し感謝するものでした。
現在は成人式というとイベントみたいになりつつありますが、振袖には大人の門出にふさわしい大切な意味が込められていることが分かります。